人生劇場。
Wendy21 米 島 健 二
誰もがその人の「人生劇場」というお芝居の主人公である。また同時に回りの家族や友人の「人生劇場」の脇役でもある。更にその他多くのすれ違う人々の「人生劇場」のエキストラでもある。
誰もがヒーローやヒロインになれるわけではない。だが平々凡々の人生でも一つとして同じ筋書きのドラマは無い。すべてが手作りのオリジナルの作品であり、この世界のどんな優れた劇作よりも深みがあり味のある一級品となる。
ふだん我々は気づかずに行動しているが、ふと演じていることに気づく時がある。
僕が一番感心するのは悪役である。どんな職場にも意地の悪い人がいて新入社員をいじめたりする。無神経な人がいて人の心を逆なでしたりする。でもそういう悪役をあえて買って出て演じている人たちがいる。悪役の出ないドラマは味気ない。一番損な役であるが、ちょっとかっこいい。悪役に徹した人が時折ポロっとミスして人のいいところを見せたりし、思わずクスっと笑ってしまう。監督からNGは出ない。
悲劇かもしれない喜劇かもしれない。メロドラマかもしれないサスペンスかもしれない。多くはそれらを含む複合劇だろう。
勝ちも無い、負けも無い。精一杯生きた人には神様から褒美が貰える訳でもなかろう。だらしなく生きたから閻魔様に舌を抜かれるという事も無かろう。無為自然、宇宙の流れに逆らってまで何かを演じるということは出来まい。
でも流れを変えたい人は、急には無理でもこつこつと小さな演技を続けることで、10年の後には、予想もしなかったステージへ立つことが出来るということは多くの先人が証明している。希望を持とう。シンデレラを夢見るのも良いが、ネルソンマンデラを見習おう(誰なんだ?)
病院で一生を終えるのが悪いという事ではないが、外にも無限の花舞台が用意されていることを見てほしい。
さて、ではその人生劇場という芝居を、「キミ以外の誰が見ているのか?」ということになると、精神病の話になる。
分裂病などの症状で思考奪取、思考伝播などというのがある。自分の見たり聞いたり感じたり考えたりすることが、誰かに吸い取られたり伝わってしまったりするような体験を示す。学問的には脳や心の科学でいずれ原因は解明されていくのだろうが、あまり気持ちのいい体験ではない。対処法としてとりあえずお勧めするのは人智を超えたハイヤーパワー(ないしキミが信じている神様や仏様等)に通じていると考えることである。僕と環境部が調査したところ、周りの誰それに伝わっているという事実は無い。ハイヤーパワーには、何一つ隠し立ては出来ないが、隠す必要も無いのである。何故ならキミというパーソナリティーはハイヤーパワーの一部であるからだ。見られて恥ずかしいことや知られてマズイことなど一切無い。もともとハイヤーパワーはそんなことお見通しなのである。ハイヤーパワーにもカウンセラーのようなルールがあって、自分の知りえたある個人のプライベートな情報を他の個人へ流すことが禁止か自粛されているようだ。もっともキミがあまりにも危険なことを考えたり実行したりすると、緊急避難的に、ハイヤーパワーがその力を見せる(主に幻覚や天災などの形で)ということはあるかも知れない。いずれ書くが、それは僕の病的体験が証明している。
キミに手をさし伸ばして妙に優しかったり、反対に辛くあたったりする人がいる。キミにもカレにも理由はわからない。もともと備わった愛であったり、使命感であったりする。10年経ってみて、やっと行動の意味がわかる事もある。よくよく覚えておこう。
ただし、今生は甘っちょろい思い出作りの場のみではない。厳しい現実というのは実在する。ドラマだと思ってはしゃぎすぎて人の舞台を台無しにしないよう、また、一度っきりぶっつけ本番の真剣勝負だということも念頭において注意して行動してほしい。